東大寺が大好きで、いまは奈良に通っています。でも、最初から好きだったわけではありません。
最初に訪れたのは小学校の修学旅行でした。「大きいな」と思ったくらいで、あまり記憶がありません。何より、大仏殿が覆われていて、普通の姿を見ることができませんでした。それが昭和の大修理の最中だったと知ったのは、東大寺に通うようになってからです。
15年ほど前に家族で行ったときも、思い出すのは子どもたちが鹿と遊んでいる様子ばかり。
転機は2025年のお正月明け。毎年恒例の旅行先は近年京都が多かったのに、急に「奈良」が浮かびました。それでも「やっぱりお正月は京都?」と迷っていたとき、散歩の途中で朱色の「春日社」に出会い、「こんなところにあった?」とびっくり。それで「やっぱり奈良!」と決めました。そこから「奈良に夢中」「東大寺大好き」な今につながっています。
この記事では、東大寺の基本情報と行き方に加えて、私が通うなかで特に心を動かされた「お写経」と「大仏さまのお身拭い」のことを書きます。
お写経を始めたきっかけ
初めて写経をしたのは、2025年に奈良にいたとき、薬師寺さんででした。ただ、地元ではなかなかお写経ができるところがありません。
その年の秋、初めて正倉院展に行き、奈良の歴史や文化に惹かれました。特に、大仏さまを造ろうとした聖武天皇の思いと姿勢に感銘を受けました。
いろいろ学ぶうちに、東大寺の指図堂でお写経ができること、そして書いたお写経を大仏さまの胎内に5年間納めていただけると知りました。「書きたい!」「納経させていただきたい!」と強く思ったのが、指図堂に通い始めた理由です。
東大寺の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 住所 | 奈良県奈良市雑司町406-1(〒630-8587) |
| 電話 | 0742-22-5511 |
| 大仏殿の拝観時間 | 4〜10月 7:30〜17:30/11〜3月 8:00〜17:00 |
| 法華堂(三月堂)・千手堂 | 8:30〜16:00 |
| 東大寺ミュージアム | 4〜10月 9:30〜17:30(最終入館17:00)/11〜3月 9:30〜17:00(最終入館16:30) |
| 拝観料(大人) | 大仏殿 800円/法華堂 800円/戒壇堂 800円/ミュージアム 800円/大仏殿+ミュージアム共通券 1,200円 |
| 拝観料(小学生) | 各400円/共通券600円(6歳未満は無料) |
| 駐車場 | 専用駐車場なし。近隣の駐車場を利用 |
※情報は執筆時点のものです。お出かけ前に東大寺公式サイトでご確認ください。
東大寺への行き方
- 近鉄奈良駅から:1のりばから市内循環バス(外回り・2系統)で約4分、「東大寺大仏殿・春日大社前」下車。運賃220円。バス停から大仏殿まで徒歩約8分。
- JR奈良駅から:東口2のりばから同じ市内循環バスで約11分、220円。徒歩なら約30分(三条通をまっすぐ)。

池のほとりから見る大仏殿
中門の朱色と幕
大仏殿の手前にある中門も、私のお気に入りです。門の朱色と、そこに掛かる幕の柄がとても好きで、通るたびに見上げてしまいます。

中門の扉と幕
東大寺の歴史(かんたんに)
- 743年、聖武天皇が大仏造立の詔を出しました。
- 752年に大仏開眼供養。インド出身の僧・菩提僊那が導師をつとめ、参列者は約1万人、海外からの使節も加わったと伝わります。
- 1180年(治承4年)の兵火で大仏殿が焼失。重源上人らの尽力で再興され、1185年に大仏の開眼供養が行われました。
- 1567年にも兵火にあい、そのたびに再建されてきました。
- 昭和48年(1973年)から7年をかけて大仏殿の昭和大修理が行われ、昭和55年(1980年)10月15日に落慶法要が営まれました。私が修学旅行で見たのは、この修理中の大仏殿だったのだと思います。
大仏さまのお身拭い(毎年8月7日)
年に一度、大仏さまをきれいにする行事です。私は8月7日に見に行きました。
当日の流れ
- お身拭いは朝7時に始まり、一般の参拝者が堂内に入れるのは7時30分からです。最初の法要は見られません。
- 身拭いをする方々は、まず身を清め、白衣にマスク、藁草履の姿になります。そして、大仏さまの魂を抜く法要(撥遣作法)を行ってから始まります。
- 私は7時ごろに着きましたが、すでにたくさんの方が並んで開くのを待っていました。

普段の大仏さま
中に入って驚いたこと
時間になって堂内に入ると、たくさんの白衣の方々が、大仏さまの体の上に、手の上に、頭の上に。大仏さまが大きいことは知っていましたが、こうして人と並ぶと、本当の大きさがよくわかりました。

大仏さまの体や手の上で作業する方々
手の届かないところは、竹で作ったような椅子を天井からのロープで吊り上げて、その上で払っていきます。しかも、そのロープは人力で操作されています。「今の時代に人力!?」と驚きました。

頭の上でも作業が進みます
指も一本一本、鼻の中まできれいにされていました。

お顔のまわり
この日、1年分のお写経が大仏さまの胎内に納められます。大仏さまの背中にある扉が開いているのは、普段は気づかないので、貴重な光景でした。

堂内の様子
※ 時間や入堂の方法は毎年変わる場合があります。参拝前に東大寺の行事案内でご確認ください。
指図堂でお写経
場所
大仏殿の西側にある指図堂です。大仏殿から離れていて、ここでお写経ができることはあまり知られていないようで、いつも人は少なめです。

指図堂の前にも鹿がいました
お部屋の様子
- 24人ほどが座れる、きれいなお部屋です。お庭も見えて、素敵な空間です。
- 机は一人ずつ座るタイプで、気兼ねなく墨をすることができます。
- 筆はお借りできます。筆に自信がなければ、筆ペンも貸していただけます。
- 硯は「風」という字をイメージした独特の形です。
- お部屋には重源上人坐像の模刻があり、鋭い眼光で見守ってくださっています。本物は国宝で、公開は年に2回(7月5日と12月16日、俊乗堂の開扉)です。
- 人が少ない日は、この空間を独り占めできることもあります。
お手本
お手本は、書家・作家の榊莫山先生のものです。少し丸みのある、優しい芸術的な字。ほかのお寺ではなかなか体験できない書体です。
料金・時間・写経の種類
- 納経料(奉納料):1,500円
- 所要時間:初めて指図堂で書いたときは、私にとって8巻目でしたが、まだ慣れず2時間近くかかりました。最近は1時間ほどで書けるようになりました。
- 写経の種類:般若心経と、華厳唯心偈(華厳経の百字)の2種類
- 予約:不要。13名以上は事前連絡(東大寺寺務所 写経係 0742-22-5511)。法要などで使えない日もあります。
大仏さまの胎内へ
書いたお写経は、大仏さまの胎内に納めていただけます。私は「5年間入れていただける」と聞いています。